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平成28年綿貫会長年頭所感

一般社団法人 富山県トラック協会
会長  綿貫 勝介
 会員事業者の皆様をはじめ、関係各位には、平素から格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。平成28年の新春を迎えるにあたり、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。

 さて、昨年の日本経済は、一昨年の消費税率引上げに伴う駆込み需要の反動の影響はあったものの、アベノミクスと円安傾向に支えられ、引き続き緩やかな回復基調が継続していると言われております。
 また、昨年10月7日には、第3次安倍改造内閣が組閣され、アベノミクスを支える3本の矢と言われる「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」の経済政策に加え、政府では、デフレ脱却はもう目の前に迫ってきているとして、次の3年間においては、アベノミクスの第二ステージで「新三本の矢」を掲げ、名目GDP600兆円を実現するなど、「一億総活躍社会」の実現を目指すとしています。
 しかしながら、富山県においては、昨年3月に開業した北陸新幹線による経済効果は認められるものの、アベノミクス効果が中小零細企業まで到達していない状況が窺われます。
 一方、トラック運送業界を取り巻く経営環境は、燃料価格が下落し安定したことにより、燃料価格高騰分の一部を収益として吸収できたものの、荷動きが低調で取扱貨物量は伸び悩んでおり、これに加えてドライバー不足、トラック不足が顕著化しております。
 本年も厳しい経営状況が続くと思われますが、トラック運送業界が、国民生活と産業活動を支える公共的物流サービスの担い手として、その重要な社会的使命と責任を果たすため、また、魅力と活力ある業界として発展するために、引き続き最大限の努力を重ねてまいる所存であります。
 そこで、当面する課題の一端について申し上げます。

 その第一は、経営基盤の安定対策の推進についてであります。
 世界的な原油価格の下落により、燃料の軽油価格は、現在のところ安定しておりますが、いつまた再び高騰に転ずるか予断を許さない状況であります。
 また、トラック運送事業は、典型的な労働集約型の事業であることから、ドライバー不足は業界の正に存亡に係わる問題であり、若者ドライバーや女性ドライバーが魅力を感じる勤務時間と賃金体系を構築することが重要であります。そのためには、原資を確保する必要がありますが、荷主等との運送契約においては、営業収入から適正な人件費を算出し運賃に反映させ、運送原価計算に裏付けされた適正な運賃収受が重要であります。
 昨年は、4年後の平成31年4月施行予定の改正労基法が閣議決定されたことを機に、中小企業が9割以上を占めるトラック運送業界の「長時間労働、低賃金」が問題とされ、運送業務における手待ち時間の縮減や附帯荷役作業の有償化等を含めた検討を行うため、厚生労働省と国土交通省が主催し、行政、荷主企業、トラック運送事業者、学識経験者、労働組合等が参加して「トラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会」が設置されました。これに続いて、各都道府県にも地方協議会が順次設置され、昨年7月27日には富山地方協議会が設置されたところであります。
 当協会では、平成28年度の税制改正・予算に関する要望について、昨年10月26日には「自民党県連との意見交換会」を開催し、直接県連幹部や当県選出の国会議員に要望したほか、11月11日には全日本トラック協会が主催する「平成27年度トラック業界の要望を実現する会」に参加し、物流コストの安定化と物流の円滑化に資するため、「高速道路料金における大口・多頻度割引の継続」「軽油引取税を含む自動車関係諸税の軽減」等を中心に直接政府与党国会議員に要望しました。
 このほか当協会は、昨年、環境保全対策として、低公害車導入促進助成、低燃費タイヤ導入促進助成、アイドリングストップ支援機器導入助成事業等を推進し、さらに経営改善対策として、改正下請・荷主適正取引推進ガイドラインの周知及び書面化推進のためのセミナー等を実施しました。
 本年も、会員事業者の経営を改善・発展させるための対策として、各種助成事業や研修会等の開催を積極的に推進するとともに、適正運賃の収受に向けて原価意識の高揚や輸送効率の向上等についての諸対策に取り組んでまいります。

 その第二は、交通事故や労働災害の防止対策の推進についてであります。
 トラック運送事業者にとって最優先課題は、輸送の安全確保であり、「安全第一」こそが運送事業者の企業活動の根幹であります。我々運送事業者が交通事故を起こしますと社会的なインパクトは大きく、経営危機を招くおそれさえあります。
 昨年の富山県内のトラック運送事業者が第一当事者となる交通死亡事故は1件で、前年の4件から大幅に減少しましたが、県内の交通死者数は、事故発生件数、負傷者数ともに減少したにもかかわらず、前年よりも大幅な増加となり非常に憂慮される状況となりました。
 また、労働災害については、死亡災害が皆無で休業4日以上の死傷者数も前年より減少傾向にありますが、これは、各トラック運送事業者の皆様が、日頃の点呼、教養等を通じて、交通事故防止や労働災害防止に対する指導・啓発活動を徹底された成果だと思っております。
 当協会では、本年も交通事故の絶滅に向けて、通年運動として「交通事故絶滅運動」を展開するほか、富山県109(とらっく)無事故無違反チャレンジアクションの実施、各種安全装置等への助成事業、適正化指導員による巡回指導、各種講習会の開催、安全性評価事業(Gマーク)の取得啓発活動、運輸安全マネジメント制度の導入促進活動等により、引き続き交通事故の絶滅に努めてまいります。
 また労働災害の防止につきましても、陸運労災防止協会と連携し通年運動として「労働災害撲滅運動」を展開するほか、労働疾病防止対策として睡眠時無呼吸症候群スクリーニング検査助成事業等を推進するとともに、荷役作業中における労働災害の防止や長時間労働の防止に向けた諸対策等を推進してまいります。

 その第三は、今後の課題に対する対応についてであります。
 来年4月には、消費税の10%税率引上げが確実であることから、自動車関係諸税の負担軽減・簡素化問題や規制の見直し問題等があり、さらには、労働力確保対策として、準中型免許導入に伴う高校新卒者等の採用促進や人材育成のための総合的な対策の推進等が喫緊の課題となっており、これらの課題に対し、全日本トラック協会をはじめ関係機関・団体と連携して要望活動や実効性のある対策等を推進していきたいと考えております。

  以上、所信の一端を申し述べましたが、会員事業者の皆様並びに関係者の皆様には、本年も引き続きのご支援とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げますとともに、皆様のより一層のご健勝・ご多幸を心よりご祈念申し上げまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。
平成28年元旦