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平成29年綿貫会長年頭所感

一般社団法人 富山県トラック協会
会長  綿貫 勝介
 会員事業者の皆様をはじめ、関係各位には、平素から格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。平成29年の新春を迎えるにあたり、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。

 さて、昨年の日本経済を振り返りますと、世界的な株安の連鎖により、東京株式市場、史上初となる戦後最長の年初から6営業日連続の株価下落から始まり、日銀が史上初めてマイナス金利の導入を決定するとともに、今年、平成29年4月予定の消費税率10%への引き上げも、平成31年10月までの2年半延期されることとなりました。
 また、4月の熊本地震の発生や、8月の台風10号、11号、9月の台風16号による甚大な被害発生など、自然災害に次々と見舞われた年でもあり、6月には英国がEU離脱を決定したことに伴い、世界的な金融市場の混乱を招きました。
 このような経済情勢の下、政府は、日本経済は景気回復基調にあるもののアベノミクスは道半ばにあるとして、3本の矢と言われる「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」の経済政策を一層強化するとともに、アベノミクスの第2ステージである「一億総活躍社会」の実現を目指すため、広い意味での経済政策として、子育て支援や社会保障の基盤を強化し、少子高齢化の流れに歯止めをかけ経済を強くして新たな経済社会システム創りを行うという、「ニッポン一億総活躍プラン」を閣議決定しました。
 さらに8月には、国内的には少子高齢化や潜在成長力の低迷といった構造要因も背景に、現状の景気が雇用・所得環境は改善する一方で、個人消費や民間投資は力強さを欠いた状況であり、世界的には新興国経済に陰りが見え、英国のEU離脱の決定など、世界経済の需要の低迷、成長の減速のリスクが懸念されるとして、「未来への投資を実現する経済対策」を閣議決定しました。
 この経済政策は、当面の需要喚起にとどまらず、民需主導の持続的な経済成長と一億総活躍社会の着実な実現につながる施策を中心としたもので、「21世紀型のインフラ整備」の施策に「生産性向上への加速」を掲げ、この中で「トラック運送業の生産性向上の促進」について取り組んでいくことが明記されました。

 しかしながら、トラック運送業界を取り巻く経営環境は、昨年12月のOPECとロシアなど非加盟国の閣僚会議において、15年ぶりとなる原油の協調減産が正式決定されたことにより、じりじりと押し上げムードであった燃料価格が今後値上がりする情勢であり、また、次期米国大統領に米国の財政拡張と保護貿易主義等を基本政策とする、共和党のドナルド・トランプ氏が選出されたことにより、今後の米国の経済政策によっては世界経済の不透明感が増大することが懸念されるところであります。
 これに加えて、ドライバー不足が顕著化しており、本年も厳しい経営状況が続くものと思われますが、トラック運送業界が、国民生活と経済活動のライフラインとして不可欠な存在となっており、その重要な社会的使命と責任を果たすため、また、魅力と活力ある業界として発展するために、引き続き最大限の努力を重ねてまいる所存であります。
 そこで、当面する課題の一端について申し上げます。

 その第一は、経営基盤の安定対策の推進についてであります。
 昨年は、個人消費の低迷等により、荷動きが全般的に低調で取扱貨物量は伸び悩んだものの、燃料の軽油価格が下げ止まり安定状態で推移したことにより、ドライバー不足の中でも各事業者の経営努力により収益が確保されておりました。
 しかし、本年は、燃料の軽油価格が上昇して収益を圧迫するとともに、ドライバー不足が更に進展することが懸念されところであり、将来的にドライバーを確保していくためには、若者ドライバーや女性ドライバーが魅力を感じる労働時間と賃金体系を構築することが重要であります。
 そのためには、原資となる適正な運賃収受が重要でありますが、昨年7月に「トラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会」の下に「トラック運送業の適正運賃・料金検討会」が設置され、トラック運送事業者が適正な取引のできる環境を構築するため、「標準運賃」「減価計算による受注の徹底」「運送以外の料金収受」の3テーマについて今後議論されることとなりました。
 富山県地方協議会においても、今後の中央協議会の議論を受けて、適正な取引環境の構築と適正な運賃・料金収受に向けての議論が行われると思いますが、同協議会での議論を踏まえながら、当協会としても、取引環境の改善に向けた取り組みを強化していきたいと考えております。
 このほか当協会では、準中型免許制度が本年3月12日にスタートすることから、全日本トラック協会をはじめ関係機関・団体とも連携して、高校新卒者等の採用促進のための広報活動や、初任運転者教育等の人材育成のための総合的な対策を推進するとともに、本年も、会員事業者の経営を改善・発展させるため、環境保全対策や経営改善対策等として各種助成事業や研修会等の開催を積極的に推進してまいります。

 その第二は、交通事故や労働災害の防止対策の推進についてであります。
 トラック運送事業者にとっての最重要課題は、言うまでもなく輸送の安全確保であり、「安全第一」が我々トラック運送事業者の企業活動の根幹であります。
 当協会では、本年も交通事故の絶滅に向けて、通年運動として「交通事故絶滅運動」を展開するほか、富山県109(トラック)無事故無違反チャレンジアクションの実施、各種安全装置等への助成事業、適正化事業指導員による巡回指導、各種講習会の開催、安全性評価事業(Gマーク)の取得啓発活動等により、引き続き交通事故の絶滅に努めてまいります。 
 また、昨年12月には、1月の軽井沢スキーツアーバス事故を受けて、貸し切りバス会社に対する5年ごとの事業許可更新制度の導入を含む、改正道路運送法が公布されたところでありますが、これを機にトラック運送業界としても、各事業者がさらに交通安全意識を高め、交通事故防止に取り組む必要があると考えており、当協会としても、事業者や運行管理者に対する指導を充実強化し、法令遵守の徹底と輸送秩序の確立に努めてまいりたいと思っております。
 労働災害の防止につきましては、昨年の休業4日以上の死傷者数が前年よりも減少傾向にあるものの、交通事故による死亡災害が1件発生しており、陸運労災防止協会等と連携し、本年も通年運動として「労働災害撲滅運動」を展開することとしております。
 また、厚生労働省が、昨年公表した脳・心臓疾患による過労死の研究結果によりますと、運輸・郵便業では50代のドライバーの発症が顕著であるとのことであり、労働疾病防止対策として睡眠時無呼吸症候群スクリーニング検査助成事業等を推進するとともに、荷役作業中における労働災害の防止や長時間労働の防止に向けた諸対策等を推進してまいります。

  以上、所信の一端を申し述べましたが、会員事業者の皆様並びに関係者の皆様には、本年も引き続きのご支援とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げますとともに、皆様のより一層のご健勝・ご多幸を心よりご祈念申し上げまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。
平成29年元旦