「 納車。無事故でありますように 」   堀 真由美さん(富山市)

 

 

納車。無事故でありますように

無駄のないダイナミックなフレーミングの中に張り詰めた緊張感が感じられる。新たに仲間入りした輸送のパートナーを前に、安全への願いが込められたものである。背伸びをしてワイパーに榊を添える若手クルーの姿、ランボードにお神酒が供えられ静寂に包まれたシチュエーションは、普段は目にすることのない貴重な光景であった。公共の道路を使用して仕事をするトラック事業者にとって、何より安全への願いと意識は高いものがある。安全輸送が全社の願いであると同時に我が社の誇りという、そこには信頼性が十分伺えるものである。

堀さんはかつて入選したことのある方と記憶するが、この写真を見ていると決して偶然ではない落ち着いた印象を感じた。この絵柄を撮るには作者がより事業者に近い位置に居ないと撮れないテーマである。言わば同僚や経営者でなければこのような場面に遭遇することは難しいであろう。無事故でありますように、という願いは掘さん一個人の想いに併せ、経営者の願いが強い印象を感じる。ダークトーンの中に輝くボディーが印象的で、安全祈願の一時がゆっくりと過ぎて行く。修祓行事が見られなくなった今日、同社の信頼はもとより運転者、社員の質の高さを感じる作品である。


 

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 「 疾 走 」

 

 疾走

井上 学さん(富山市) 

トンネルの出口で待ち構えたのか、併走しているかは定かでないが、実に迫力ある作品に仕上がっている。トンネル内の安全灯、トラックのダークブルーのボディー、フォグランプなど様々な色調が絶妙なバランスを保ち、トラックを左に寄せたフレーミングが一層迫力ある画面を醸し出している。厳しい撮影条件にチャレンジした井上さんの熱意もさることながら、デジタルカメラの色調特製を生かし、プラスチックな質感が良い。何処となくズーミングしているような感もあるが、無駄なものを排除した画面からは、トラックの力強さと迅速性が十分感じられた作品である。

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 「トキの居る時 」

 

今藤 正昭さん(高岡市)

住宅街の一角に田植えを終えた田圃に舞い降りた来客、どう見てもトキである。佐渡から黒部に降り立った珍客は、配送中の保冷宅配車をものともせず、我が物顔で田圃に佇んでいる。

聞く所によると、佐渡から舞い込んだトキは安住の地を黒部に決めたようだ。直線距離で200km近くはあろうこの地に何を求めに来たのであろうか。今藤さんは本来、トキを撮りに来たのではないか。トキを狙っている間にトラックが居て、格好のテーマになるとシャッターを切ったに違いない。明らかにピントはトキに来ていて、その他は微妙にボケている。いずれにしても良く偶然を上手いタイミングで作画できたと感心する。長めのレンズで見据えた同氏の息遣いが聞こえて来る作品である。

トキの居る時

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 「 ゴールドサンディ 」

 

 
ゴールドサンディ

山田 正昭さん(富山市)

収穫期を控えた稲穂が田圃一面を黄金色に染める時期がやって来た。その姿はゴールドカーペットの上にトラックが一時の休息をしているようにも見える。

農作物とトラックの融合が異物で不思議な空間を醸し出した。物流センターに勢揃いしたトラックを狙った作品は多く寄せられているが、これほど上手く画面構成した作品は少ない。普段の活気あるセンターではトラックも動いていることが当たり前のように感じるが、ピタリと止まっている光景も逆に怖い感じもする。季節と時間を考えて、トラックの静の部分を的確に捕らえた作品である。

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 「 無事到着 」

 

 

内山 康弘さん(上市町)

 

大型平ボディーに積載され大量のドラム缶が運ばれて来た。山岳地帯に到着したトラックからドライバーも降りて来て、安堵感も感じられる。安全確実に届けるという輸送の使命と画面からは澄み切った空気感が良く解る。しかし、冷静に見ると大量のドラム缶をこの環境まで届けなくてはならないのか。荷役はどうするのか、という疑問が残った。

暫く考えて出した理由は、越冬のための燃料ではないか、ということに行き着いた。トラック輸送が生活に欠かすことのできない輸送機関である証しがここにある。内山さんもそれを言いたかったに違いない。背景の山々や除雪車の黄色もアクセントとなって様々な要素が詰まった作品である。

 無事到着

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 「 白ネギ赤トラック 」

 

 

白ネギ赤トラック
畑 ひさのさん(高岡市)

青果市場は葱の荷捌きで忙しい最中、突如現れた3姉妹。頼むから仕事させてくれ〜と言わんばかり、半ば諦めのドライバーと一緒に写っている。写真コンテストに応募するから撮らせてと、妹に造花を持たせて、私はネギ1箱担ぎ上げるから早く撮って、とやり取りが聞こえて来る。

若気の至りと言うべき元気印の娘たちに占領され、赤いトラックをバックに撮影ステージと化した光景に為す術もない。投げやりのタイトルも面白い。しかし、現場にこれだけ入り込んだ写真はこれまで見たことがない。彼女たちの対人折衝能力が頗る高い証しと言えよう。演出という域を脱して妙に不思議なスナップになっている。小道具がダイコンでなかったことがせめてもの救いである。

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 「 力強いパートナー 」

 

藤井 伸一さん(富山市)

 土砂崩れの復旧作業であろうか、パワーショベルでダンプトラックに積み込まれる土砂。崩落した若木がデジタルの色調により、やけに鮮やかで何とも痛々しい。藤井さんは毎回、工事現場で活躍するみどりナンバートラックを追い続けている。継続することの大切さと難しさを何時も私たちに見せてくれる。とりわけ土木に関わる現場を捕らえるのが好きなようだが、決して派手さはなく裏方に近い場面における力強いトラックの姿が表現されている。

あおったカメラアイが高低差を一層強調させて、現場の厳しさも十分理解できる作品である。

力強いパートナー

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 「 霧立つ朝に 」

 

 霧立つ朝に

江川 正光さん(富山市)

神通川に立ち込めた霧が橋脚までも覆れて、何とも幻想的な朝の光景である。水温と外気の温度差がこのような自然の風景を創り出し、水面は霧の海と化した。そのような霧の海を滑って行くかのように、大型トラックが通り過ぎて行く。

作品からは、トラックが十分な車間距離を持っているため、霧の光景と相侯ってゆっくりとした時間経過が感じられた。一台のトラックに絞ったことが映像のポイントとなり、真っ赤な橋脚が画面を一層引き締めている。早起きは三文の得というが、普段は見ることのない光景に出遭うことがある。過ぎ行く時間に身を任せ、江川さんは何台の車を見送ったことだろう。

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 「 劔を仰ぎ現場へ急げ 」

 

山蔵 昭徳さん(富山市)

 

劔岳を背景に新常願寺橋を行くトラックの連帯。住宅建材だろうか同じ荷物を積載した同型のトラックが規則正しいピッチで走って行く。後追い写真であるが、路面や縁石の雪が冬の張り詰めた空気感を上手く表現している。長めのレンズで引き寄せ、遠近感を詰めたことで、山々やトラックを一層強調させることができた。

何より対向のトラックが見事に収まっているのが凄い。現場における山蔵さんの判断力と計算高さが、良い結果を生み出した証しと言え、同氏の粘り勝ちといった感じである。手前に比重が置かれているが、空を落として斜光で照らされたシャーベット状の道路を入れてみても良かった。
 劔を仰ぎ現場へ急げ

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 「 合掌の里 」

 

合掌の里 松永 正昭さん(富山市)

世界遺産五箇山の合掌集落での写真はこれまでも多く寄せられている。一定のエリアが住民所有車や営業車以外、規制されていることから車両も絞られて来る。宅配車はその典型で、茅葺き屋根の民家を背景に、田植えを控えた水田が織り成す造形が美しい。これぞ、日本の正しい原風景といっても過言ではない、忘れかけていた農村風景は何時までも大切にしたいものである。

そんな風景と冷蔵トラックとのギャップは何とも言えない面白さがある。トラックがタイムスリップしたような錯覚に加え、ミニカーに見える。さりげなく配した農夫も良いし、情報に富んだ画面は飽きが来ない。欲を言えば容量不足で画像が乱れてカラーバランスも崩れている点は残念だ。

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   「安全運転でご苦労様」

 


       「 イベント 」
   

 江尻 和久さん(富山市)

石黒 外志さん(上市町) 

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