「 雪の中を走る 」   平野 稔さん(富山市)

 

 


  トラック行き交う沿道に佇む地蔵尊の相貌は、降雪のオブラートに包まれた不思議な空間があった。スカイブルーのトラックボディー、降雪の一つひとつの流れの中と相俟って、身に染みる程に寒さを感じて居られない。厳しい撮影条件の中で、地蔵尊とトラックの構成を作者は様々な角度から模索する中で、苦労してこの写真を自分の物にした。それを裏付けるように、同じ現場に佇みながら他の写真を寄せてくれたのだが、矢張りこのショットが本来の情景を充分に表現している一番の写真であった。同氏は、トラックの流れと5体横並びの地蔵とのコラボレーションを、時間の経過と共にずっと見据えていたに違いない。そして、積もって行く雪の形状、湿りかけてきた前掛けの情景など要素が多く見え隠れして、全体の情景を醸し出していた。駆け抜けて行くトラックの傍らに佇む地蔵達は、集落に愛された位置付けでもあり、交通安全を願う見守り隊のようにも見える。雪国の情景を上手くとらえた作者の粘り勝ちの結果と言えよう。


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 「 夢に咲く花 」

 

 

黒ア 宇伸さん(魚津市) 

 コンビニの駐車場に止まっていたトラックの背景に上がった花火は、惹かれのシャワーの如く降り注いて幻想的な空間が表現できた。店頭の毀れ日にトラックの顔が映し出されて、2発の大輪の光跡がゆっくりと降りて行く光景が良く判る。県外車ではあるものの、目を凝らせば運転者の姿は無く、偶然に居合わせた花火の美しさに小休止していたのだろう。
黒崎さんは写真のイロハを熟知している方で、どのようにすれば結果がこうなるプロセスを知っている方で、不思議な発色を放つ花火をまともに撮らないで、開放値に近い形で背景として暈しながら、スポットを浴びているように顔を出したトラックの相貌と相俟って夏夜のひと時を上手くとらえた作品である。


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 「明日を運ぶ 」

 

岩城 澄男さん(上市町)

 着々と工事が進む北陸新幹線の高架と、それを抜けるトラックのシルエットが美しい。荷台に載せられた重機の不思議なシルエットとアーチ橋のフォルムが相俟って、夕暮れ時の一瞬をとらえた作品である。経時変化と共に、刻々と変化を遂げて行く夕暮れの光景は、側壁への照り返しの変化や、夕焼けの発色の変化を見据える中で、良いタイミングでトラックが通ったのは幸運であった。そのような、チャンスをモノにするのも岩城さんの現場の判断と認識がマッチした結果の表れである。写真は、欲張り過ぎてもチャンスを手にすることは難しく、自然体で被写体に向かっている中で、思いがけない偶然に遭えることが何よりの醍醐味と言える。架線が張られていない伸び行く高架と暮れなずむ情景に、明日への輸送の原点を見たような気がする。


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 「 祭りの日 」

 

 

小川 敏治さん(富山市)

 岩瀬の運河に架かる橋の上ですれ違う山車とトレーラが、向かい合い譲り合っている光景が面白い。大型トラックのそれを上回る山車の大きさにトラックも弱腰の感じも否めない。工場地帯を背景とするベイエリアの山車牽きが何ともギャップかあって面白いし、周辺環境が変わっても今日に引き継がれている祭りの位置付けも充分伝わって来る。山車の華やかさと山吹色のトラックのコントラストも映えるし、ライトレールが写り込めば尚更だが、そう上手くは行かないのも写真である。空気が冷え込んで来るこれからの時期、立山連峰を背景にまた違った作画にチャレンジして欲しい。


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 「 紅葉真盛り 」

 

 

松永 正昭さん(富山市)

 

 白川郷の里山は、紅葉の時期を迎え斜光に輝くコントラストが素晴らしい。塗炭屋根の民家や背景の山、枯れ朽ちて行く雑草の一つひとつに集落の空気感が良く伝わって来る。それぞれを構成する要素の中に、アルミボディーのトラックが一層引き締めてくれた。冬支度を控え、張り詰めた里山の空気感を上手く捕えた作品である。

 


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 「 緑のじゅうたんを走る 」

 

 

森義隆さん(富山市)

見事なグリーンカーペットと化した田圃を貫く道に1台のダンプトラック。対向車も後続車も無い画面は、トラックの専用道に見えてしまう。緑一色の画面に対角線に結んだ規則正しい白帯がアクセントとなって、程良い緊張感が感じられる一方、トラックの安定した走行が感じられるものだ。ここまで緑に固執した写真はこれまでなかったし、みどり=営業用のイメージカラーを俯瞰で撮れるシチュエーションも高森さんの被写体選びに対する綿密さと、無駄を排除したフレーミングは好感が持てる。トラックがもう少し色のついた塗色であれば同化も免れもっと良かった。


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 「 新幹線工事 」

 

藤井 伸一さん(富山市)

  新幹線工事に携わる人々はどれだけ居るのだろう。これほどの巨大構造物を造ることに我が国の建設技術の高さを感じずには居られない。藤井さんはこれまで同様の現場写真を寄せてくれて、現場主義の大切さを認識し、定点撮影を以て証明していた方である。工事の進捗状況が時の経過とともに表面化され、写真の記録性を改めて認識できる作品である。
各所で携わった背景には常にトラック輸送の関わりがある。モノの存在する所に輸送の原点を観て、時代の架け橋となることを望みたい。


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 「 秋を感じる 」

 

 

梶原 隆さん(富山市)

 うろこ雲を配した秋空の相貌は、何処となく寂しさを感じてしまう。魚眼レンズの特性を活かして、欄干とガードレール、覆いかぶさる街灯のフォルムを逆光で写し出して、トラックをさりげなくシルエットに配したことで、一層秋空を強調することが出来た。超広角、魚眼といった特殊レンズは、通常の撮影の感覚でとらえると、被写体が弱くなってしまう傾向がある。それだけ、作者自身がレンズ特性を認識していないと間抜けな写真と成り兼ねない。梶原さんは、技術もさることながらこのような使い方を熟知して、被写体に対する処理も上手い方だ。歪みを逆手に取って自らの作品にする作業は、特殊レンズを使う醍醐味であろう。


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 「 今日も暑いですね 」

 

濱田 信介さん(富山市)

 

 築堤を行き交うバルクトレーラーと乗用車が、酷暑であつた夏の光景が蘇る。すれ違った時に交わされる言葉は、今日も暑いですね。早く涼しくなって欲しい願望とは裏腹に、今となっては懐かしい夏の光景となって感じてしまう。濱田さん自身も暑かったであろうし、真っ青な空に浮かぶ入道雲、醸し出す草の匂いが画面から伝わって来る。擬人化した車は共にシルバーの乱反射が一層、暑かった夏の日のひとコマを再認識させた作品である。
 


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 「 世界遺産と共に 」

 

二口 恵子さん(高岡市)

 今年も昨年に増して、合掌集落に位置するトラックの作品を見ることが出来た。四季折々が奏でる集落の光景は、どの季節を観てもマッチするものだ。日本建築の原点は、その土地と季節の調和の中で生き生きと活動する光景が伺える。合掌建築の重厚さと収穫を待つ稲穂、取り巻く環境の中でトラックを上手く配置して、俯瞰なスタンスの写真はかつてにはない作画は好感が持てる。正しい日本の原風景を俯瞰で眺めると、箱庭の中に居るような錯覚に陥る不思議な写真である。


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   「ダンスで盛り上げ」

 


    「 豪雪の日にも 」
   

 河上 二朗さん(富山市)

杉山 邦雄さん(高岡市) 

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