「 Thunder Express 」   黒﨑 宇伸さん(魚津市)

 

 



 黒﨑さんは、昨年惜しくも優秀賞に留まった作家で、長時間露光を駆使して自らの作品に取り組んでいた。今回も、同様のスタンスで、地元の海の駅をロケーションにカメラを据えていた。暗雲漂う海岸を背景に稲妻が放射線状に発光し、アルミボディのトラックを照らし出している。シアン調のトーンの中に、稲妻の閃光が何とも言えないコントラストを表現し、トラックの先鋭的なフォルムを映し出した作品である。トラックは既にエンジンを切り待機しているが、テールライトが点灯していたらもっとインパクトがあったかも知れない。
 稲妻のタイミングと通り抜けて行く車の光跡は、偶然の現場の状況からすべてが揃う訳ではない。しかし同氏は、地元ならではのロケーションを熟知して、現場に立ち会った時に整理する構成力と作品を自らのモノに出来る感性や技術を兼ね備えている方だと思う。
 一つのテーマに拘りを持つ、という黒﨑さんのスタンスは、継続は力という言葉が何より相応しい。


< 戻る

 


 「 朝日よりも早く 」

 

 

小川 敏治さん(富山市) 

 明け切れぬ富山北大橋を渡る大型トラックの姿が、今日も一日安全運行で行こう、という意気込みと安定性を持った作品である。朝日に照らし出されて、シルエットとなった車両と背景の建物、欄干の照り返しが美しい。このロケーションは、良く応募される人気のスポットだが、ローアングルで望遠レンズを駆使して簡略化したことが成功の鍵である。
 小川さんの作品は、他の同位置作品の中では、最も時間の経過と被写体の処理が上手く、トラック輸送の創造性を垣間見る作品であった。


< 戻る

 


 「 紅葉の道をゆく 」

 

上田 邦男さん(富山市)

 朱く色付いた街路樹のステージを横目に颯爽と走るトラックが行く。他の車両が全く写り込んでいない光景に、何とも贅沢なロケーションを行くトラックの姿を捕えた。所々、緑の部分もあり、ブルーのトラックとのコントラストも良い。俯瞰で捕えた作画も遠近感を一層強調することが出来、右手にトラックを寄せて左に紅葉のウエイトを保った上田さんの作画も良かった。
 このロケーションは是非、季節に合わせて定点撮影をして時の移り変わり再認識して欲しい場所である。

 


< 戻る

 


 「 菜の花畑の出合い 」

 

 

藤井 睦子さん(富山市)

 一面菜の花畑を懐に、ダンプトラックがお見合いをしているような光景に、審査委員一同が引き寄せられた作品だ。背景には、足場を組まれた建設現場、土砂の搬出入であろうダンプトラックが待機している。固いイメージのダンプが菜の花畑に包まれて、本来の力強いトラックのイメージを見事に払拭する、不思議な相貌を表現している。
 藤井さんの女性ならではのキメ細かさと優しさが作品全体から感じられ、異空間とのコラボレーションが作品を決めるきっかけとなった。


< 戻る

 


 「 朝の配送 」

 

山崎 勝さん(富山市)

 紫峰と化した立山連峰を背景に、夜も明け切れぬ市街地の静寂を上手くとらえた作品である。張り詰めた空気感と、街灯に照らし出された街路樹が規則的に並び、行き交う乗用車の軌跡もアクセントとなって作品全体の雰囲気を高めている。
 山崎さんは、この現場を機会ある毎に足を運んで狙っていることが伺え、経時変化とロケーションの状況判断が上手い。早起きは三文の徳と言うが、撮影においても好結果をもたらせ、輸送の使命感が伝わる作品であった。

 


< 戻る

 


 「 夜明けの排雪場 」

 

 

高野 博彦さん(高岡市)

 今年は全国的にも降雪量が多い年であった。富山県も例外ではなく、市街から集められた雪はダンプトラックで運ばれて来る。言わば、雪の捨て場というものだが、凍てついた葦、朝焼けの朱と相俟って現場の空気感が充分伝わる作品である。
 この排雪場が一見するとスケートリンクにも見えて、2台のダンプトラックが滑っている様にも見えて来るから面白い。本来、邪魔な降雪も見方によっては作品の要素となって、雪国の安全を守るトラック輸送の姿が明確に表現された。


< 戻る

 


 「 美味しいお米は 」

 

守山 泰史さん(富山市)

 澄み切った青空の下、今年も米の収穫の時期に来た。黄金色の稲がコンバインに吸い取られて行く光景に佇み、被写体を見据えていると、大型トラックが通り過ぎて行った。トラックがJAというのも偶然とはいえ滑稽である。
 新米出荷のポスターになりそうな守山さんの作画に、チャンスをモノにする力は同氏の敏捷性を感じる。コンバインがトラックを誘導する光景も滑稽だし、稲のコントラストも申し分ない。

 


< 戻る

 


 「 家路へ 」

 

 

野村 英樹さん(魚津市)

 日の暮れた海岸線を大型トラックが颯爽と駆け抜けて行く。ひと仕事を終えて、会社に戻るプロセスが作品から伝わって、今日もお疲れ様と労いたい光景である。
 トラックに視点を置いて流し撮りをした結果、小船や街並み、山々が残像と化してトラックが一層強調することが出来た。その野村さんのテクニックも申し分ないし、水面に写り込んだ尾灯も何処となく寂しさとともに、ノスタルジックに感じる良い作品である。


< 戻る

 


 「 イベントで大活躍 」

 

斉藤 雅彦さん(富山市)

 市内西町のイベント会場で、路面電車の軌道を遮るようにステージと化したトレーラートラックが鎮座している。荷台の上には、ご当地アイドルのパフォーマンスに観覧者は釘づけとなった。
 トレーラーは本来、重量物、大ロット貨物を輸送する役割を果たしているが、異形の使い方をすると何とも不思議な光景になってしまう。その異空間さと、左端で同じポーズでスマートフォンで写している若者の姿に、デジタル化の現代描写を上手く表現した作品である。

 


< 戻る

 


 「 凍つく中 」

 

向 孝子さん(高岡市)

 冬の幹線道をローリートラックが行く。一拍置いて、後ろに4台の乗用車が後に続いている。その光景に、先導するトラックの慎重さが感じられて、安全運転の模範となる光景に見えて来る。沈み込んだ背景も日本海ならではの相貌を醸し出して、無駄なものを排除した積雪と轍のコントラストは、洗練されたモノクロームの世界に誘ってくれた。
 トレーラーをもう少し待って手元まで寄せたら、もっと遠近感が出で来るし、街灯、トラック、標識とが中心で横並びになっていることで、視点を分散させると見所も増えて来ると思う。






< 戻る

 

 
 


 
     「 爽快に走る 」

 


    
   

 平野 稔さん(富山市)

 

 < 戻る