「ここから先は、僕の現場」


飯田 明子 さん(砺波市)

 本物のトラックを目の前に、ダンプトラックの玩具に跨がる幼児の姿がユニークだ。

 住宅街における彼の絶好な遊びの領域に姿を現したトラックに、ここから先はボクに任してというばかりに対話しているようにも見える。それが、毎日離すことはないお気に入りの玩具を運転する彼の傾げた後ろ姿に、親しみやすさを感じてしまう。飯田さん本来の女性としての優しさと、息子さんであるとしたら母親としての視点が相侯って良い結果をもたらしたといえる。
 時として、幼児期における子供の行動や表情を見据えていると、大人では考えられない創造性を発揮することがある。被写体の行動プロセスの中に作者が同化していなければ決して押さえられない光景であるし、同時にカメラスタンスが子供の視線で狙われていることも忘れてはならない。本物のトラックとの会話の中身を知りたいものだが、絵本のワンシーンに飛び込んだような、そんな飯田さんの写真に秘められた思いは他作品の群を抜くパワーがあるものであった。

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 「立山あおぐ」

伊東 正治 さん(富山市)

 澄み切った立山連峰を背景に、常願寺川の沿道を行き交うダンプトラック。パンフォーカスにして画面全体を引き締めたことが、立山のコントラストとトラックの流動をより効果的に見せる結果となった。

 伊東さんはベテランカメラマンと察するが、作者自身が写真的効果を熟知しており、それが作画全体から綿密さや、正確さが感じられる。写真を撮る行為以前から、ロケーションを把握し、ベストコンディションで臨むという完璧さが、伊東さん本来の良さでもあり、行き交うトラックを同時に画面構成するようなシャッターチャンスを生み出した絶妙なタイミングは、現場を熟知していなければ出せないものだ。作者の写真プロセスに対する責任が作品から充分感じられ、完成度の高い作品になった。

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             「コミュニケーション」

村上 久信 さん(中新川郡上市町)


 村上さんは昨年も上位に入賞した方だが、ストレートでダイナミックな表現がより写真のメッセージ性を高め、見る側に共感をもたらす作品の持ち主である。今年も複数の力作を寄せたが、文句なしに優秀賞に入ったものである。

 食品配送を担う事業者と荷主との接点を狙ったものだが、お互いに良い顔をしている。仕事に従事する人々の姿を真正面から捕らえる作者の姿勢が、写真全体から醸し出すパワーとなっている。毎日、決まった時間に配送される正確性からそこには信頼が生まれ、事業者と荷主が共にベストパートナーである位置付けを明確化した作品である。生活を支えるトラック輸送の真の姿はこうした現場に見ることができる。荷主の笑顔が何よりドライバーの誇り、村上さんの現場主義に対する拘わりがストレートに伝わる写真である。
 トラックの架装化は時代の流れと、荷役ニーズの多様化とともに進展してきた。より効率的且つ確実な積み込みを行うことが、より質の高い輸送品質に繋がる。青空の下で、羽を広げたウィング車を後部から狙った作者の視点に、輸送の将来性を感じ、広角系レンズを活用し少し煽ったポジションがよりフォルムを強調させる結果となった。未来に走り出そうとする荷役の一時を象徴させる作者の作画意図が、トラック全体の良いイメージとして認識できるものと期待したい。


 

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      「ウィング」

 

加藤 博史 
さん(富山市)

 トラックの架装化は時代の流れと、荷役ニーズの多様化とともに進展してきた。より効率的且つ確実な積み込みを行うことが、より質の高い輸送品質に繋がる。

 青空の下で、羽を広げたウィング車を後部から狙った作者の視点に、輸送の将来性を感じ、広角系レンズを活用し少し煽ったポジションがよりフォルムを強調させる結果となった。未来に走り出そうとする荷役の一時を象徴させる作者の作画意図が、トラック全体の良いイメージとして認識できるものと期待したい。

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   「合掌集落の集配」 


若林  繁 
さん(婦負郡婦中町)

 若林さんは、昨年都市内配送で上位に入選した方だが、今回は全く異なった環境に見る集配にスポットを当てたものだ。

 人間の血管で例えると、静脈の部分で地域に根ざした輸送であることを作者が認識しているようだ。この集落は車両進入も規制されていて、共同集配事業を行っている地域である。森林に見え隠れする歴史的建造物を背景に、尖鋭的なアルミバン車が私道を行く。地域環境と共生する優しいトラックの姿は、新世紀へ伝えたい正しい日本の原風景と相侯って、地域に根ざした輸送の原点を再認識できる作品である。確実に作画する被写体への予測と安定したフレーミングの中に、作者の綿密さが伺える。

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 「小 休 止」


小森 貞夫 さん(黒部市)


 県内を代表する氷見の漁港に集結した冷凍トラックたち。アルミボディーに写し出された荷役を待つ一時の静寂が、これから始まる港の活気を一層駆り立てるものとなった。

 今や、居ながらにして産直品が得られるのは、輸送技術の発展、物流システム向上の他ならない。港を発信基地として、全国各地に運ばれる鮮魚輸送は食を通じて生活に直結する輸送手段である。その断片を切り撮る作者の「静」のまなざしの中に基幹産業を支えるトラック輸送を見た。

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              「しぶきの中」

沖村 信市 さん(射水郡小杉町)


 今年の夏は気象観測史上例を見ない猛暑であった。富山県内も例外ではなく、異常気象ともいえる気温上昇を記録した。小杉駅前の噴水を通して写し出された市街地を駆け抜けて行く集配車の姿は、しぶきの勢いと相俟って清々しい作画となった。

 写真の清々しさとは裏腹に、現場に張り付きトラックを捕らえようと耐えた作者の執念に頭が下がる思いである。噴水のしぶき、天候から察してもかなりの高速シャッターを切り、流水を止めたことが不思議な流水模様を作り出し、良い結果となった。

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 「真夏のR41」



玉生 康博 さん(婦負郡八尾町)


 国道41号線は、北陸と中京圏をアクセスする主要道路である。パープルカラーのダンプトラックがワンポイントとなって、その存在を明らかにした。

 洗練された市街地の相貌と規則的に配列された車両により、作品全体を引き締める結果となった。トラックのフロントガラスに差し込んだ陽射しと、手前の自家用車のドライバーがサンバイザーを下ろす様が、真夏の幹線道の情景を証明している。時間帯とともに経時変化を追う中で、定点撮影するのも面白いのかもしれない。

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              「私にまかせて」

此川 勝海 さん(黒部市)


 女性のドライバーが乗務するダンプトラックが荷台を振り上げて荷役する光景を捕らえた。古い住宅街を背景に少し顔を出したロードローラーが造成地であることを裏付けている。次の現場への指示を出す姿も仕事の緊張感を高める要素となった。

 少し長めのレンズを生かした作画が、よりトラックのフォルムを強調させる要因となり、同車の力強さが表現された。


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 「子供にやさしい安全運転」

 

山口 正志 さん(下新川郡宇奈月町)


 道路を使用して事業を行うトラック運輸事業者にとって、何より忘れてはならないのが交通事故防止である。作者にとって、みどりナンバートラックドライバー全体が優しい運転への願いが込められた写真であった。プロドライバーとしての信頼は、社会的使命である事故防止の観点からも評価されるものである。

 一般社会への認識の近道が、こうした『プロドライバーのやさしさ』から伺えるような、運転者の模範となることを象徴する写真である。

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