「お姉ちゃんありがとう!!」

 

お姉ちゃんありがとう!!

 

宮島 優美子 さん(富山市)

 宅配便を被写体とした写真は毎回作品数が高いことで、それだけ一般消費者に身近な輸送モードである証しと言える。裏腹に競争率も激しい訳で、顔馴染みとなった女性ドライバーと兄弟の姿がストレートに表現されて、事業者と顧客の信頼が十分確立されている作品に仕上がっている。強い陽射しが夏の情景を醸し出し、子供たちも慣れきった夏休みのひと時に届いた一つのクール便。ドライバーと会話する兄の傍らに、荷物の中身がどうしても気になる弟がいる。生真面目な兄と鼻血を出す程やんちゃな弟、何処となく2人の性格が見えて、幸せそうな宮島家の相貌が垣間見られる写真だ。ちょっと待って、とばかり持ち出したカメラのデートは消去されておらず、真夏の出来事として記録された母の優しいまなざしとストレートで無駄のないフレーミングが一層、夏の日の情景として表現された。


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 真冬の配達

 

真冬の配達

 

此川 勝海 さん(黒部市)

 毎回優れた作品を送ってくれる、ベテラン作家の此川さん。決して写真に派手さはないが、逆に重量感ある作品を創る方だ。凍て付く吹雪の中で荷降ろしする姿を克明に捕らえ、荷物をしっかり抱え足元を気にする慎重さ、リフトに積もった雪が荷役の経過を物語っていた。過酷な条件下でもカメラを向けた同氏の執念もさることながら、作品からは輸送の使命感を感じずにはいられない。レンズに付着した吹き荒ぶ雪の軌跡が、現場の情景が手に取るように分かる。実際はもう少しピンが来るのではないかと推測されるが、それが逆にリアル感が出ている。

 

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 黒の軍団

 

若林  繁 さん(婦負郡婦中町)

 若林さんもベテラン作家だが、一連の応募作品の中で一際目立ったのがこの作品である。出発前か、帰庫したトラックかは定かではないが、フィルムのラチチュードを限界まで露出をかけてモノトーンに仕上げた作品である。逆にフィルム特性を認識していないと、このようなシンボリックな結果を生み出すことは難しいし、同氏のキャリアが成せる技である。ダークトーンの中に浮かび上がったトラックのフォルムが実に美しいし、輸送の確実性や安心が表現されている。長いレンズでまとめ上げたカメラワークも車体を引き立てる要因になっている。良く埠頭などで夕日と絡めた風景という作品は比較的多いものの、車体フォルムをまとめる上げるのは難しいものだ。無駄を取り去った時の美しさと静態でいるものの躍動感が感じる優れた作品である。

 

黒の軍団 

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 地方巡業の日

 

 
地方巡業の日

北村 洋誠 さん(滑川市)

 地方巡業で関わる資材の多さは、背景に写り込んだ新型の大型ウイング車が物語っている。力士の風貌とトラックの荷台に置かれた自転車との対比も面白い。輸送も様々な業界に従事し巡業の裏舞台が垣間見られる作品である。北村さんは初の入賞だと思うが、安定したフレーミングで抜けのない作画により見ていてもゆとりを感じる。経過する静かな時間が、これから始まる闘いのドラマを物語っているようだ。



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 ライト点灯運転中

 

 

蔵  英修 さん(氷見市)

 海外では、交通事故防止の一環として日中でもヘッドライトの点灯を法制化している国もある。わが国でも、企業や地域など点灯走行が増えて、実際にその事故減少に起因する効果が得られる取り組みとなっている。幹線道路を快走する大型トラックを流し撮りしたことで、躍動感と輸送のスピーディー性が表現された作品だ。しかし、画題から拝察するに作者の願いは安全への願いの方がウエイトが高い。車両の速度とシャッタースピードの兼ね合いによって背景の流れ方が異なってくる流し撮りは、技術を要する分野でありトラック中心にまとめたことが良かったのかも知れない。

 

ライト点灯運転中

 

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 車両点検指導

 

  ワイパーひとつに 思いやり

車両点検指導

ワイパーひとつに思いやり

朝日 弘俊 さん(富山市)

  川友 貴暢 さん(富山市)
朝日弘俊さんの「車両点検指導」と川友貴暢さんの「ワイパーひとつに思いやり」は、ドライバーコンテスト等の現場を狙ったものである。運転者個々の技術向上や事故防止の観点から企業やトラック協会で実施している。日頃の安全に対する取り組みが遂行されていないと、コンテストの舞台ではなかなか力を発揮できない厳しい競技だ。朝日さんの作品はキャビンを開けてボルトを点検する者と試験官の対比がより緊張感を醸し出しているし、川友さんはワイパーの不具合ひとつに目をやるまなざしがプロドライバーの証しとしてクローズアップされている。ともに運行前の日常点検から安全輸送の原点を感じ、プロドライバーの誇りある姿を捕らえた作品である。


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 コンテナーで海外へ

 

コンテナーで海外へ

 

石黒 外志 さん(中新川郡上市町)

 石黒外志さんの「コンテナーで海外へ」は、ガントリークレーンで吊された海上コンテナの荷役風景を押さえた作品である。普段は立ち寄り難いコンテナヤードの現場ではあるが、安定した作画により、グローバルな物流分野が表現することが出来た。今、シャーシにコンテナが載せられる時間経過と、輸送の安定性が垣間見られるものである。近寄ることが制約されていることからも長いレンズを起用したことでは安定性はあるが、クレーンやコンテナの壮大さが消されてしまっているのは残念である。自分のスタンスを考えて、別の角度からの撮影も見たかった。

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 温泉客の送迎船

 

温泉客の送迎船

 

高畠  勉 さん(砺波市)

 高畠勉さんの「温泉客の送迎船」は、庄川町の小牧ダムで撮られたもので、採石場だろうか留置されたダンプトラックと白い送迎船を背景とする対比が面白い。船も車も輸送という観点では共通しているものの、輸送産業とレジャーとのギャップがなんとも不思議な空間を醸し出した気になる作品であった。

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 吹雪の中を

 

今藤 正昭 さん(高岡市)

 今藤正昭さんの「吹雪の中を」は、自宅からそれほど離れていないロケーションで撮影された作品であった。トラックと軽自動車が吹雪の中を行き合う状況が上手く表現されていて、悪天候の道路状況からも慎重さが感じられるものであった。車体に付着した雪、路側に溜まった雪とタイヤ痕、視界を遮られた中での作品は苦労も多いが、身近なフィールドで被写体とした作者の眼は好感が持てる作品に仕上がっている。
吹雪の中を


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